炎立つ 弐/参/四

炎立つ 弐 燃える北天 (講談社文庫)

炎立つ 弐 燃える北天 (講談社文庫)

炎立つ 参 空への炎 (講談社文庫)

炎立つ 参 空への炎 (講談社文庫)

炎立つ 四 冥き稲妻 (講談社文庫)

炎立つ 四 冥き稲妻 (講談社文庫)


読んだ、読んだ。
止まらない。
続きが気になって止められなかった。
壱の後半から、いろんな状況が見えてくるとぐんぐんおもしろくなってきて、
毎夜、土日、読み続けたった。
ずーっと興奮冷めない感じです。


しかし、この時代の頭に立つ人々はしんどいことをするわな。
策に策を重ね、裏を読んでいかに相手の隙をつくか、
それぞれが腹の中になにかを抱えていて。
そして、やっとひとつの戦さが終わっても、またその血脈が新たな争いを生む。
人と人がころし合うのを見るのは、本の中とはいえつらい。
貞任と経清の破滅が迫っていることがわかっていながら読むのがホントにつらくて、何度も読むのをやめようかと思った。


貞任と流麗の別れや、貞任と経清の最期の件は涙涙…。
潔く、立派な武士だったとはいえ、戦さに敗れ鋸挽きで斬首されて…
後の平泉が栄華を極め楽土となり、その名が後生まで武士の誉れとして伝わったのなら本望だったのだろうかね。


貞任、経清、義家の互いを思う関係性はとてもよいですね。美しい。
このしんどい話のなかで、数少ない救いでございました。
会う人みなを引きつけてやまない経清という人、一度お会いしとうございますわ。


しかし、頼良めー!
永衡暗殺にしても、経清斬首にしても、女子供までみなごろしにしても、こいつ嫌い!
わたしのヒーロー経清さまを苦しめるやつは嫌いよ!
でも、彼も経清が好きだったんだよね…。


舞台「炎立つ」は、四巻あたりと思われる。
ふたつの大きな火が消えたあと、清原の中で生き延びてきた経清の息子・清衡。その異父弟・家衡。
嫡男・真衡との戦い。(真衡暗殺があっけなくてびっくりした)そして、清衡と家衡の戦い。


器量もないのにまわりの人間に担ぎ上げられて、お山の大将となった家衡。
兄・清衡の思いに気づけず、俺が!俺が!と突っ走った結果、
母を失い、義家と清衡に兵糧攻めに遇い滅ぼされることになる。
最期までかわいそうな人だったな。
血に恵まれなかった人、というか、だれか抱きしめてあげて!と思ってしまうわ。
母は生き延びるために清原に嫁いで家衡を産んだ。しかし、清衡を通して経清の遺志を思うばかり、兄も弟を愛しながらも清原に愛はない。
だれも彼には向かっていないのだよね。悲しいなぁ。


三宅さんはその家衡を演じられるわけですが、最後に立て籠もった金沢柵の中での諍いでのやりとりが、三宅さんだと想像しながら読んだら、めっちゃしっくりきたよ。
泣きながらわめき散らす姿が想像できる。
なにかの舞台がドラマ化でそんなシーンがあったのかしら。
少し家衡のことを調べると、なかなかの我が儘野郎だったみたいで。
どんなふうに舞台をかき回してくれるのかな、と楽しみであります。


先日のにこ健に遺伝子のことを書いてらっしゃいましたが、この炎立つの血の争いを見て、そういう思いになったのかしらと勝手にしみじみ。(ものすごく勝手な想像の翼を広げてみましたよ)


ところで、平幹二朗さんは誰を演じられるのだろう。
CMやらイベント情報やらは、関西はいつから流れるの!
はやく見たいなぁ。


いまは最後の伍巻の半ばを読んでおります。
ついに義経が頼朝のもとへ旅立ってしまったところです。
いやだー。行っちゃだめよー!
読むのがつらいわー。