炎立つ 伍


炎立つ 伍 光彩楽土 (講談社文庫)

炎立つ 伍 光彩楽土 (講談社文庫)

後に読んだもののインパクトが強くて、ちょっと5巻の印象が薄れてしまっているのですが、
最後に思ったのは、相当壮大なファンタジーだったな、と。
歴史小説っていうのはそもそもそういうものなのかもしれないけれど。


後三年の役のあと、清衡が平泉に築き上げた楽土。
その思いを受け継ぐ秀衡、そして泰衡。
そこで育った義経
義経と泰衡の結びつき。
最後の決断。
最後まで血に囚われた人々の戦い。
熱いな。
舞台やドラマやでは、源氏視点での話が多かったので新鮮であり、
ちゃんとこの時代の小説を読むのは初めてなので
あぁ、そういうことだったのかと思うこともあり、勉強になりました。



続きまして、「炎立つ」の時代よりずっと昔の蝦夷たちの物語。

火怨 上 北の燿星アテルイ (講談社文庫)

火怨 上 北の燿星アテルイ (講談社文庫)

火怨 下 北の燿星アテルイ (講談社文庫)

火怨 下 北の燿星アテルイ (講談社文庫)

昨夜3時半頃まで泣きながら読んでいたので、今日は目が腫れています。
つらい。
阿弖流為たちの熱い熱い心に泣かされたな。
正直、えぇ!それですべて丸く収まるの!と言いたくはある。
これは「炎立つ」の最後にも感じたことなのだけれど。
しかし、蝦夷としての誇りを失わず、子や孫たちのために陸奥を守ったのだからそれでいいのかなぁ。
残された者の思いは、生きて蝦夷の心を土地を守ることで本当に昇華されるのかな…